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マイケル・ジャクソンの死

  
マイケル・ジャクソンが亡くなったニュースがマスコミをにぎわせています(ちょっと言葉が適切ではないですが)。私が大学生の頃にエルビス・プレスリーが亡くなりました。確か享年42歳だったと記憶しています。ちょうどその時、私はプレスリーの音楽の大変なマニアで(もちろん、その当時でも十二分に時代遅れのファンだったのですが)、訃報に非常に驚きましたし、その亡くなり方(生き方)についての様々な報道を興味を持って見ていました。

ちょっと亡くなり方は違いますが、マリリン・モンローとエルビス・プレスリー、マイケル・ジャクソン、この3人の夭逝した天才エンターティナーの亡くなり方(生き方)に、私はどうも共通のものを感じてしまうのです。というより、3者の死に際して同じことを考えてしまうのです。

それは「幸せとは何か」ということです。単純に成功した人が若くして亡くなったことがどうだこうだ、ということではありません。3者とも成功した絶頂期に強烈な欲求不満を抱えており、極端な言い方をするとそれが原因で亡くなった気がするのです。

幼いころ、当時は陸の孤島という言葉がぴったり当てはまった能登半島の先端近くの親の里に行った際、半農半漁で生計をたてているその村で、祖父や祖母が夜明け前の早朝から夜なべ仕事まで、3度のひどく質素な食事時以外、都会とはいかないまでも町に住む私の目からみるととんでもないと思えるほどの重労働を黙々とこなしているのを見て、「人間は生きるために働くのか、働くために生きるのか」という哲学的な問いを体で感じた記憶があります。

同様に3者の死は、私にとって「人生にとって満たされるとは何か」という哲学的な問いを体で感じさせられるものなのです。才能に恵まれ、運に恵まれ、富と名声を得て、異性にちやほやされ、同性に敬愛され、それでも生れ出る欲求不満とは一体どのようなものなのだろう…と考えるのは、そのすべてに恵まれない人間の想像力の欠如からくる疑問なのでしょうか。

若かりし頃大好きだった三島由紀夫の戯曲「卒塔婆小町」の一節に「ないものねだりが高じた末に、あなたは恐ろしいことを考えついた」(言葉尻は間違っているかも知れませんが、こういうニュアンスだったと思います)という台詞がありますが、もしかすると人間を生かす原動力は「ないものねだり」なのかもしれません。モンロー、プレスリー、マイケル・ジャクソン3者の場合、行先を失った「ないものねだり」パワーが自身を傷つけ、ついには死に至らしめた、と考えることもできるのではないでしょうか。3者ともアメリカ人らしいアメリカ人であり、富・名声・人気などのシンプルな価値観以外のことに疎かったのもこのような状況に陥った原因かも知れません。

私は大学で心理学を専攻したのですが、指導いただいた先生は大脳生理学の研究者で“self stimulation”を研究テーマとしておられました。もちろんこの分野も30年の歳月の中で研究も大きく進歩しているでしょうが、当時先生からお聞きしたところによると、ラットなど実験動物の脳のある部分に電極を入れて自分でスイッチを押して刺激するようにすると、文字通り寝食を忘れてスイッチを押し続ける箇所があるそうです。放っておけば飲食を忘れて死んでしまうまでスイッチを押し続けるそうです。食欲や性欲を満たす中枢の場所は分かっているのですが、それとは異なる場所であり、それがどのような役割を果たす中枢なのかを研究されているとのことでした。この時点で私が勝手に考えたことですが、もしかすると生き物には「何かをやり続ける」という欲求があって、その欲求は食欲や性欲を凌駕するものなのかも知れない、と。つまり「ないものねだり」中枢というものがあって、生き物が生きるための重要な仕組みなのかも知れません。

先週、義母が他界しました。享年8710か月。願わくば「ないものねだり」中枢が満たされ、生きる原動力が静かにその炉の火を消した、安らかな旅立ちであれば良いが、と考えています。

合掌


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